2010/03/03

エガの海岸物語 2

エガスは今日も完璧だった。

そう、何を隠そう今日は新宿紅布という、
一見すると中華料理屋にしか見えないライブハウスでエガバンド、初の東京進出。
興奮冷めやらぬいま、これを書いている。
熱は37度を超えた。身体の毒を浄化させるのにはちょうどいい、体温らしい。

影ながらプロデューサー兼マネージメントを手掛けている自分は、
幸運にもリハから参加させてもらった。
貴重な体験だ、普段見る事のないエガバンドの生の姿に触れる事が出来る。
皆にも伝えたい、共有したい。
まず、15時に自宅前でピックアップしてもらう。
運転するのは太鼓に限ってはミスターストイックなエガバンドの大黒柱、アークン。
彼は東京の裏道に精通している。それが急がば回れだとしても、とにかく詳しい。
そしてさっそく、車社会の中でもいわゆる一般道、平坦で曲がりくねる事のない、
ここを走ってれば踏み外す事はないみたいな、
守られた人生という道に吐き気をもよおすエガス。彼は車酔いも激しい。
道中については書き出すと長くなるので、そもそもがオフレコなので、話を飛ばそう。
リハーサルの話をしよう。リハーサルも初体験。
彼らを素人だと思って甘く見ちゃいけない。ただ、ひとつだけ言わせていただくと、
ギターアンプを前にしたエガスの一言。これ、どこにシールド差すの?
絶句した。試されているのか?おまえほんとに知っているのか、と。
確かに、通常のアンプと比べると差す箇所は多かったかもしれない。
けど、普通分かるだろう。戸惑った自分は、たぶん左のほう、曖昧に答えた。
そして始まったリハーサル。マッツンのマイクスタンドの角度に注目してほしい。
エガバンドにはかかせないコーラスという名のシャウト。
モニターに向かって突き刺さるかのように傾けられたマッツンのマイクは、
シャウトを放つと、自分の声が自分の耳に突き刺さるらしい。
ステージ上に限り低姿勢に構える彼は、バーチャルの世界に住んでいる。
次から次へと曲を繰り出すエガバンド、PAに調整の隙を与えない。
それでも彼らは演奏を繰り返す、PAとのコンタクトも必要としない。
ただただがむしゃらに、実に彼ららしいやり方で。
喰らいつくように外音を作り出すPAと、
ひたすら自分達のテンションとコンディションを確認し合うエガバンド。



程なくしてリハーサルは終わった。完璧に近い、練習みたいなリハーサル。
対バンが気だるそうに眺めていた事について、怒りを隠しきれないエガス。
この意味不明な怒りが、本番にも影響を及ぼすかもしれない。むしろ、いい意味で。
そんな事を考えつつも、眠気と興奮は徐々に高まり、
完全に浮き足だっている彼らを横目に会場はオープンした。続く。

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