2010/01/20

エガの海岸物語

横浜は中区、海岸通りが誇るロックスター、
彼の名はエガチュラム51世。
泣く子も黙るパンクバンド、そう、EGABANDのフロントマンだ。
今日、その彼がジャックカフェに来店した。
おもむろに店内を見渡すエガス、
お客が誰もいない事を確認すると彼は表情を変えずに、
ギターケースからギターを取り出した。
幾度となくステージをこなし、乗り越えた末に、ネックまで折れたあのグレッチだ。
よく見るとネックは継ぎ目の跡もなく綺麗に繋がっている。
結成初期に使用していたあのテレキャスター、
通称エガキャスターは今や無用の産物だ。
グレッチ、通称エガッチが今や彼の片腕、
そこから産み出される包み込むようで破壊的なギターリフは、
常に不器用な純粋性を内包し、観衆を惹きつけてやまない。
EGABANDがエガバンドたる確固たる所以であろう。
話を戻そう。店内に夕暮れのオレンジが差し込む位置を見つけると彼は、
そこに仁王立ちで構えた。固唾を呑む。ゆっくりとギターを肩に掛ける。鳴らすのか?
鳴らさなかった。少しだけ仰け反り、天井に目を向けた彼はギターのネックの先端、
おそらく破損した部位であろう、いわゆるところの”傷”だ。空を指差した。
その瞬間をシャッターに収める為だけに、
今日と言うこの紛れもない現実を生きてきたように思う。今となってはそう思う。
人を傷つけるのは容易い。自分が傷つく事には無頓着かもしれない。
自分を傷つけるのは困難だ、そこにはいつだって悲しみが付き纏う。
世の中は不条理で、矛盾の海に人は波打つ。
だから、悲しみは空に跳ね返して雨を降らせばいい。虹をかければいい。
綱渡りで生きていこう、今日も明日も。
彼はジャックカフェの店員です、それではライブの告知を。

"EGABAND LIVE"
2/1(mon) ガレージマンデー@Bar MOVE
3/2(tue) 新宿紅布 w/THE FANCLUB ...and MORE



みんな、是非遊びに来てね。

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